2020年07月17日

日本沈没2020



ネットフリックスが「日本沈没」をアニメでシリーズ化しましたね。

ネトフリ版の「デビルマン」に続いて実にハードな内容のシリーズで、巨大震災を被災者家族の視点から描いていて、とても新鮮でリアルでした。


実写映画の「日本沈没」は、特撮シーンによるカタストロフィーが見せ場なのですが、アニメ版では第1話以外は極力、必要最低限に抑えて、そのぶんドラマのシーンに回していました。

これがアニメ版としての正しい判断であり、成功したところだと思います。

つまり1話はカタストロフィーとしての見せ場が多いのですが、2話からは被災家族のサバイバルが中心で、ここがアニメとしての本領発揮というところでしょうか。

ネタバレになるから書かないほうがいいと思うのですが、これまで多くの作品でセオリーとされてきたことが簡単に打ち破られ、「えっ? そんなあっさりと……?」という意外な展開がやってきます。


おそらく2話を見終えたとき、もう続きのエピソードが気になって仕方なくなるでしょう。


僕が面白いと思ったポイントは、沈没する日本から脱出できる国民はマイナンバーからの抽選で少人数だけが選ばれるとか、もしマイナンバーを持っていない国民はまったく抽選もされないとかですね。

妙にその辺がリアルじゃないかって(笑)。


次にカルト教団が震災時には勢力を伸ばしてくるというくだりもリアルでしたし、国家のシステムやマスコミがあっさり壊滅して、ネットにはデマばかりが飛び交い国民が混乱していく様子とか……。

またネトウヨみたいな連中が取り仕切って外国人を排除していく場面もあって、よく世界観が練られているなと思いましたわ。


ウヨクもサヨクも出てきて、日本はどーなるんだって感じ(笑)。
リアルだわ~。

全10話を一気に観てしまうほど面白かったですw




……ですが。

不満もあります。



最終回だけは、個人的にちょっと……受け入れがたいです。



この終わり方しかないんだろうなとは思うものの、日本人の脳天気さとか相変わらず平和ボケだという面を見せられて、頭痛がしてきました。

さらに世界各国が日本に対して、やさしすぎるというのも違和感が……そんな良い面ばかりじゃないだろうにと。

結局はグローバル万歳かよ?


そして最後に希望をもたせるようなラストにも、がっかりしました。


例えばヒロインが強すぎる。

ちなみにヒロインは、ハーフで母親がフィリピン人。だからその明るさを受け継いでいるのかもしれませんが、でも最終回直前までは日本人のままで、フィリピン人のような楽天的な陽気さはありませんでした。

母親は母親でフィリピン人らしくない。
どっちかというと、ちょっと明るい日本人って感じ。


ヒロインも途中までは日本人らしくて、最終回あたりで急にグローバル人(地球人?)らしくなります。

この入れ替わりは何??

キャラクターの成長というより、急にキャラが変わったかのように見えます。

最終回だけは蛇足というか、やらなくても良かったのでは?

そう思ってしまうくらい、キャラクターの違和感がありました。


もし僕だったら、もう日本人には戻れないような空気を作りますね。

ヒロインがどんなに成功者になっても、それは日本人としてではない。彼女がお世話になった国に対してその国籍を名乗るとかね。

それを観た外国人が「この奥ゆかしさが、日本らしさと言うんだろうな」とつぶやくとかね。


つまり日本の国家が崩壊し、日本人は少数民族として世界中に散ったのなら、その行く先では土地に馴染めず苦労も多いはずです。

よそ者なんですから。

それが、日本人だから特別扱いされるというのは解せない。

移民や難民になってもうまくいく、あっさり成功者になって祖国にいたとき以上に幸せになるなんていうキレイゴトは興ざめしますよ。

日本という国はなくなった――。

そういう現実を突きつけられる。視聴者も実感する。

そんなシーンにしないと、日本は沈没していないように見えすぎて、今まで観てきたエピソードは何だったんだという自己矛盾、作品みずからの自己否定に入ってしまう。

だから、こんな最終回ならやる必要はなかった。

もし、やるなら日本という国は喪失したが、その精神だけがひっそりと生きてるのかもしれないね――という程度に留めておかないと、可愛げがないというか、ラストのメッセージが傲慢すぎる。


どうせなら救いようのないラストにして欲しかった……。


最終回以外は、大人向けのアニメとして素晴らしかっただけに実に惜しいと言いたい。
















posted by どんぐり at 16:46| 埼玉 ☔| Comment(0) | アニメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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